放課後等デイサービスにおける個別支援計画書の作成フローとポイントを徹底解説

雑記

1. 個別支援計画書の重要性と目的

  • 個別支援計画書は児童福祉法に基づき作成が義務化され、児童の発達支援における質の向上と保護者との共通理解の基盤となります 。
  • 令和6年度の報酬改定では、5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)に基づく「見える化」やアウトカム評価の重視が鮮明に 。

2. 作成フローと各ステップの流れ

以下の6ステップが基本プロセスです 。

① アセスメント

  • 利用前または見学時に児発管が実施。本人・保護者のニーズ、特性、生活環境をヒアリングし、記録を残す。
  • 面談日・内容の記録がないと減算対象になるため、書面管理が重要。

② 個別支援計画の原案作成

  • 児童発達支援管理責任者のみが原案作成可能。職員が資格を持たない場合は減算対象のリスクあり 。
  • アセスメントに基づき、利用者情報、長期・短期目標、具体的支援内容、評価指標を記載 。

③ サービス担当者会議

  • 原案をもとに関係者会議を開催し、議事録として支援内容を調整・記録 。
  • 出席が難しい場合は学校等への照会記録が有効 。

④ 保護者への説明・同意取得

  • 関係会議後、保護者へ計画内容を説明し、署名捺印を取得。控えの交付も義務 。
  • 同意取得がないまま支援を続けると減算対象に 。

⑤ サービス提供 & モニタリング

  • 計画に沿った支援の実施と経過観察。モニタリングシートに成果や課題の経過を記録 。
  • 特段の理由がある場合でも、6か月以内には必ずモニタリングし振り返る 。

⑥ 更新(再作成)

  • 最大6か月の有効期限後、再度①〜⑤のフローを行う。
  • 状況に応じて期間前の見直しも可。

3. 5領域ごとの記入ルールと注意点

令和6年改定で強調された5領域の視点を取り入れ、具体的かつ達成可能な目標をそれぞれに記入すること。

🔹 健康・生活

  • 食事、睡眠、排泄、着替えなどの日常習慣。
  • 例:「視覚的スケジュールで自力で着替える」。

🔹 運動・感覚

  • 姿勢、バランス、感覚統合など。
  • 例:「体幹トレーニングで姿勢安定を図る」 。

🔹 認知・行動

  • 時間・空間理解、数概念、作業遂行等。
  • 例:「1~10までのカウントアップを理解し、操作できる」 。

🔹 言語・コミュニケーション

  • 言語形成、表現、選択的コミュニケーション手段の活用。
  • 例:「絵カードで意思を伝えられるようになる」。

🔹 人間関係・社会性

  • 他者関係、自己調整、集団参加。
  • 例:「集団活動に参加し、基本的な挨拶ができるようになる」。

4. 減算対象にならないための6つのポイント

未作成・手順の欠落が減算や行政指導の理由に。特に注意が必要な事例は:

  1. 面談記録やアセスメント記録がない
  2. 資格を持たない者の作成
  3. 担当者会議の議事録がない
  4. 保護者の同意・説明がない
  5. モニタリング記録がない
  6. 変更判定後に未更新

5. 令和6年報酬改定による新ルール

  • 利用者の意思決定支援の明記が求められる 。
  • 支援内容・モニタリング記録など整備が不十分だと認定され、実地指導で減算対象や指定取消のリスクあり 。

6. 書式・様式のおすすめポイント

  • 行政「ガイドライン」「事務連絡」に基づいた定型フォーマットの活用推奨 。
  • 市販・クラウドの支援記録ソフトやテンプレートを活用し、統一・記録精度アップ。

📄 必要書類一覧&ダウンロードリンク

1. 個別支援計画書(様式・記入例)

2. 自治体モデル様式+記入例

3. ガイドライン通知・改定資料


🧩 カテゴリ別まとめ表

書類・用途公的/自治体備考
個別支援計画書(Excel)厚労省/東京都/大阪府/吹田市形式・様式が機能ごとに異なる
記入例・別表(PDF/Excel)東京都/大阪府/吹田市利用者に応じた実用例付き
モニタリングシート・記録票類東京都/大阪府/吹田市進捗・評価用に最適
アセスメント・フェイスシート吹田市/横浜など面談内容記録向け
サービス提供実績記録票大阪府支援内容の実績管理
こども家庭庁 Q&A・通知資料こども家庭庁法改定対応・最新ガイドライン

✅ ダウンロード時のおすすめポイント

  • Excelフォーマットは自治体によって項目が整理されており、導入しやすいです。
  • PDF形式の記入例付きテンプレはスタッフ研修・導入会議用にも活用できます。
  • Q&A・通知資料は法改定対応に不可欠。特に 令和6年4月改定に沿った記載ルールチェックに必携です。
  • ダウンロードファイルは、最新更新日・容量に注意して選んでください。

必要なフォーマットがありましたら、各自治体サイトや厚労省資料から直接ダウンロードできます。運用や比較検討にあたっては、事業所の業務フローやチーム構成に合わせて最適な様式を選びましょう。

🔎 他の帳票(意思決定支援記録、事故報告等)も必要であれば、都道府県・市町村の書式ライブラリーに豊富にそろっています。


✅ まとめ(Checkリスト形式)

ステップチェックポイント
①アセスメント面談記録・シート保存
②原案作成児発管作成/5領域盛込/目標設定
③会議議事録の保存/照会記録あり
④説明・同意保護者署名/控え交付
⑤モニタリングシート記載/結果の判断
⑥更新6か月毎/必要時再作成
その他意思決定支援の明記/行政指導対応済

個別支援計画書は、単なる書類ではなく、児発管の専門性と継続的支援の証です。各ステップ・領域・記録を丁寧に実践することで、子どもたちの支援の質を高め、実地指導にも耐える強固な体制を構築できます。ぜひ本記事を参考に、精度ある計画書の作成を進めてください。

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