馬と心を通わせる放課後等デイサービス。ホースセラピーで育つ“ちから”とは?

放デイとは

はじめに:ホースセラピーとは?動物と子どもの不思議な関係

ホースセラピー(乗馬療法)は、馬とのふれあいや騎乗活動を通じて、身体面・精神面の発達を促す支援方法です。

「馬に乗るだけで?」と思うかもしれません。ですが、馬の鼓動、体温、揺れ、呼吸——それらすべてが、子どもの“感覚”をやさしく刺激し、心と体に深い影響を与えてくれるのです。

動物と過ごす時間の中で、言葉を使わなくても“伝わる”安心感。これが、子どもたちの心をゆっくりほどいてくれるのです。


ホースセラピー特化型の放課後等デイサービスとは?

この施設では、馬とのふれあいを中心に据えた支援プログラムが提供されています。
スタッフにはホースセラピー指導者や動物介在療法士が在籍し、子どもの発達段階・特性に合わせて活動を組み立てています。

都市型の放デイでは味わえない「自然」と「動物との関わり」を通じて、子どもたちの“感じる力”と“生きる力”を育むのが目的です。


馬との関わりが育む5つの力

心の安定と感情表現

馬の温かい体温やゆっくりとした呼吸に触れることで、子どもの情緒が安定します。自然と表情が和らぎ、自発的な言葉や笑顔も増えてきます。

共感性と優しさ

馬の反応に合わせて声をかけたり、優しく触れる経験を通して「相手を思いやる気持ち」が育まれます。

姿勢とバランス感覚

騎乗中の揺れが体幹やバランス感覚に刺激を与え、自然な姿勢の獲得や身体感覚の発達に繋がります。

コミュニケーション力

言葉だけに頼らない「非言語コミュニケーション」を通じて、人との関わり方を体感的に学ぶことができます。

自己肯定感と達成感

「馬に乗れた!」「合図が通じた!」という成功体験は、子どもの心に大きな自信を残します。


実際のプログラムと活動内容

  • 馬との挨拶・ブラッシング・餌やり
  • 引き馬による騎乗体験(安全サポート付き)
  • 散歩やふれあい活動(馬と一緒に歩く)
  • 馬のお世話体験(道具の片付け、えさの準備)
  • 屋外でのリラックス時間(自然遊び・芝生活動)

騎乗以外の関わりも重視されており、「乗る・触れる・感じる」こと全体を支援の軸としています。


1日の流れと自然の中で過ごす時間

14:30 来所・着替え・馬場への移動
15:00 馬とのふれあい・騎乗・散歩体験
16:00 休憩・自由活動(自然の中で過ごす)
16:30 振り返りタイム・お迎え準備
17:00 お迎え

屋外で過ごす時間が多く、子どもたちは心地よい疲れとともに穏やかな表情で帰宅していきます。


どんな子に向いている?対象と期待される変化

  • 不安が強く、人との関わりが苦手な子
  • 感覚過敏・感覚統合に課題のある子
  • 情緒が不安定で、衝動的な行動が見られる子
  • 自己肯定感が低く、自信を持てない子
  • 言葉以外の表現方法に触れさせたい子

「動物にしか見せない表情」「馬にだけは心を開いた」——そんな瞬間が、ホースセラピーの現場では日常的にあります。


保護者の声:馬との出会いがもたらした変化

「普段は人の目を見られないのに、馬にはしっかり目を合わせていたんです。」
「“馬が喜んでくれたよ”と嬉しそうに話す姿に驚きました。感情を共有する力が育ってきたと感じます。」
「運動も苦手だったけど、騎乗後に背筋が伸びて、表情も明るくなりました。」

馬との関係性が、子どもたちの新しい一面を引き出してくれます。


よくある質問(Q&A)

Q. 馬に乗るのが怖い子でも大丈夫?
→ 乗らずにふれあいだけの参加も可能です。無理なく進めます。

Q. アレルギーや衛生面は大丈夫?
→ 施設では清掃・除菌・換気を徹底しています。事前の相談で対応も可能です。

Q. 雨の日や冬場はどうするの?
→ 屋根付き施設や室内活動も併設しており、天候に左右されず運営しています。


見学・体験のすすめ:「感じる力」を育てる第一歩

ホースセラピーは、言葉では説明しきれない“空気”と“感覚”が魅力です。

「うちの子に合うかな?」と感じたら、まずは見学・体験を。
実際に馬に触れてみることで、保護者も子どもも「何かが変わる」瞬間を実感できるはずです。


まとめ

ホースセラピー特化型の放課後等デイサービスは、馬とのふれあいを通じて、子どもたちの「心」と「身体」、そして「人との関わり」をやさしく育ててくれる場所です。

機械や教材では得られない“生き物との対話”が、子どもたちの内面に深く響き、確かな成長へとつながっていきます。

タイトルとURLをコピーしました